低学年におすすめの中学受験塾7選 後悔しない選び方と始める時期

「小学一年生から塾は早すぎる？」「低学年からの中学受験は無駄にならないか」と悩んでいませんか。

この記事では、低学年におすすめの中学受験塾の選び方や費用、最適な開始時期を徹底解説。お子さんの個性を伸ばし、後悔しない塾選びのヒントが満載です。

この記事の結論

小学校低学年からの塾は早い？始める時期と親の心構え

「小学校低学年から塾に通わせるのは、少し早いのではないか」と感じるのは、ごく自然なことです。

“今、始めるべきか？”という迷いに、正解はありません。でも、お子さんの未来の可能性を一緒に考えるきっかけになるはずです。

実際に中学受験の本格的なカリキュラムは小学3年生の2月からスタートする塾が多いため、焦る必要はありません。しかし、低学年から通塾することで得られるメリットも確かに存在します。

ここでは、通塾を始めるべきか判断するために、そのメリットと注意点を詳しく見ていきましょう。

中学受験を意識し始めるのは小学3年生からが多数派

多くの中学受験塾では、新小学4年生（小学3年生の2月）から本格的な受験カリキュラムを開始します。そのため、一般的に中学受験を意識し始めるのは小学3年生の夏休みから秋にかけての時期が一つの目安です。

しかし、近年は入塾の低年齢化が進んでおり、特に人気の塾では早い段階から席が埋まることへの不安を感じる方もいるかもしれません。ですが、専門家からは「高学年になると転塾などで空きが出ることも多い」との指摘もあります。 周囲の雰囲気に流されず、ご家庭のペースで検討することが重要です。

学習習慣の定着と知的好奇心を育むという大きな利点

低学年から通塾する最大のメリットは、勉強を生活の一部として自然に組み込む「学習習慣」が身につきやすい点です。

文部科学省の調査でも、公立小学校における通塾率は1年生の26.9%から学年ごとに上昇し、6年生では51.4%に達します(※注1)。早い段階から週に1〜2回、決まった時間に机に向かうサイクルを作ることで、高学年からの本格的な学習にもスムーズに対応できます。

また、学校とは違う環境で面白い問題に触れることは、子どもの知的好奇心を大いに刺激します。パズルやゲームのような課題を通して「学ぶことは楽しい」と感じる経験は、その後の学習意欲に繋がる貴重な財産となるでしょう。

『楽しい！』という感情が、学びの最強エンジンになります。低学年は、その“原動力”を育てる大切な時期なんです。

勉強嫌いを招かないための低学年通塾における注意点

一方で、低学年からの通塾には注意すべき点もあります。最も避けたいのは、過度な負担によって子どもが「勉強嫌い」になってしまうことです。子ども自身が嫌がっているのに無理強いするのは逆効果です。

また、低学年のテストの成績に一喜一憂しすぎるのも禁物です。この時期の成績は、学習の定着度よりも、単なる先取り学習の成果である場合が少なくありません。目先の数字に惑わされず、長い目で子どもの成長を見守る姿勢が求められます。

低学年からの通塾 メリット・デメリット

メリット	デメリット
早期に学習習慣が身につく	勉強嫌いになるリスクがある
学校以外の刺激で知的好奇心が育つ	テストの成績に一喜一憂しがち
塾の雰囲気に早くから慣れることができる	自由な遊びの時間が減ってしまう
中学受験本番まで余裕を持った準備ができる	費用がかかる

わが子に合う塾選びのコツ！低学年ならではの比較ポイント

低学年の塾選びは、高学年とは異なる視点が求められます。合格実績や偏差値だけでなく、お子さんが「楽しい」と感じ、主体的に学び続けられる環境かどうかを見極めることが何よりも重要です。

それでは、具体的にどのような点を比較すればよいのでしょうか。後悔しない塾選びのための3つのポイントを解説します。

学習への興味を引き出す楽しいカリキュ-ラムか見極めよう

低学年の指導において、塾の教育方針が色濃く表れるのがカリキュラムです。単に高学年の内容を前倒しするのではなく、子どもの発達段階に合わせて知的好奇心を引き出す工夫があるかを確認しましょう。

例えば、パズルやゲーム、実験などを多く取り入れ、「考えること」自体の面白さを教えてくれる塾もあれば、基礎的な読み書き計算を徹底して土台を作る塾もあります。どちらが良いというわけではなく、お子さんの性格に合っているかが重要です。

家庭のサポートと両立できる通塾頻度と費用の実態

共働き家庭が増える中、塾との両立は切実な問題です。

無理のない範囲で送迎や宿題のサポートができるかは、塾選びの重要な基準となります。低学年コースの多くは週1〜2回の設定ですが、ご家庭のライフスタイルに合うか確認しましょう。

また、費用面も事前に把握しておく必要があります。文部科学省の調査によると、公立小学校に通う児童の年間学習塾費は、1年生で平均11.6万円、6年生では30.2万円と学年と共に増加します(※注1)。月謝に加え、入塾金や季節講習費など総額で判断する視点が不可欠です。

講師との相性や教室の雰囲気を体験授業で確かめる重要性

“百聞は一見にしかず”——体験授業に行くと、パンフレットだけでは見えない空気感が伝わってきますよ。

パンフレットやウェブサイトだけでは分からないのが、教室の「生きた雰囲気」です。気になる塾が見つかったら、必ず体験授業に参加しましょう。 お子さんがリラックスして授業に参加できているか、講師は子どものやる気を引き出すのが上手か、といった点を自分の目で確かめることが不可欠です。

以下のチェックポイントを参考に、複数の塾を比較検討することをおすすめします。

• 子どもの表情: 授業を楽しんでいるか、集中できているか
• 講師の質: 子どもの目線で分かりやすく説明しているか、質問しやすい雰囲気か
• 教室の環境: 生徒が主体的に発言しているか、清潔で学習しやすいか
• 他の生徒の様子: 活気があるか、落ち着いて学習しているか

集団塾と個別指導はどっちが良い？公文式との違いも解説

学習塾を検討する際、多くの方が「集団指導と個別指導、どちらが良いのか」という点で悩みます。さらに、習い事として人気の「公文式」との違いも気になるところです。それぞれの学習形態には異なるメリットがあり、お子さんの性格や目的によって最適な選択は変わります。

うちの子は人見知りで、競争よりもマイペースなタイプなんですが、集団塾は向いていないでしょうか？

お子さんの性格に合った学習スタイルを選ぶことが何より大切です。集団塾は刺激になりますが、プレッシャーを感じすぎる場合は個別指導塾が合っているかもしれません。実際に体験授業を通じて、どちらがリラックスして学べるかを確認してみましょう。

ここでは、それぞれの特徴を比較し、どのようなお子さんに向いているのかを解説します。

ライバルと切磋琢磨する大手集団塾のメリットとデメリット

SAPIXや早稲田アカデミーに代表される大手集団塾は、同じ目標を持つ仲間と競い合いながら学力を高めていけるのが最大の魅力です。周囲の頑張りが刺激となり、自然と学習意欲が向上する効果が期待できます。また、長年の実績に基づいた質の高いカリキュラムと豊富な受験データも強みです。

ただし、授業は決まったペースで進むため、一度つまずくと遅れを取り戻すのが難しい側面もあります。競争が苦手な子や、自分のペースでじっくり考えたい子には、プレッシャーに感じられるかもしれません。

子どものペースで進められる個別指導塾の魅力とは

個別教室のトライやTOMASのような個別指導塾は、一人ひとりの学力や目標に合わせてオーダーメイドの指導を受けられる点が特徴です。分からない部分をその場で質問でき、苦手分野を徹底的に克服できるため、着実に学力を伸ばすことができます。

また、習い事や家庭の都合に合わせてスケジュールを柔軟に組めるのも大きなメリットです。一方で、競争相手がいないため、モチベーションの維持には本人の意志や家庭のサポートがより重要になります。一般的に、集団塾よりも費用が高くなる傾向もあります。

基礎計算力は身につくが受験対策とは異なる公文式の特徴

公文式は、計算や漢字などの基礎学力を反復学習によって高いレベルで定着させることに特化しています。高い計算能力や読解力の土台を築く上では非常に有効な学習法と言えます。

しかし、公文式はあくまで基礎トレーニングであり、中学受験で求められるような応用力や思考力を問う問題への対策は行いません。そのため、「公文をやっているから安心」と考えるのではなく、中学受験を目指すのであれば、適切な時期に受験専門塾へ移行するか、併用する必要があることを理解しておくことが大切です。

学習形態の比較

形態	メリット	デメリット	こんな子におすすめ
集団塾	・競争環境で意欲向上 ・豊富な情報と実績	・自分のペースで学べない ・質問しにくい場合がある	負けず嫌いで競争が好きな子
個別指導塾	・オーダーメイドの指導 ・スケジュールが自由	・費用が高め ・競争相手がいない	自分のペースで学びたい、苦手克服したい子
公文式	・高い基礎計算力がつく ・学習習慣が身につく	・中学受験の応用問題は扱わない ・単調に感じることがある	コツコツと取り組むのが得意な子

低学年におすすめの中学受験塾7選！タイプ別に特徴を徹底比較

ここからは、いよいよ具体的な中学受験塾を紹介します。数ある塾の中から、特に低学年の指導に定評があり、それぞれに明確な特徴を持つ7つの塾を厳選しました。お子さんの性格やご家庭の方針に合う塾を見つけるための参考にしてください。

編集部が注目するお子さんのタイプ別おすすめ塾の選定基準

今回ご紹介する7つの塾は、単なる合格実績だけでなく、編集部が実際に複数の塾の体験授業や説明会に参加し、保護者へのヒアリングを通して得た情報を基に、以下の基準で選定しました。低学年の子どもたちが「学びの楽しさ」を発見し、将来にわたって伸び続けるための土台を築けるかという視点を重視しています。

• カリキュラムの独自性: 低学年の発達段階に合わせた、知的好奇心を引き出す工夫があるか。
• 指導方針の明確さ: どのような力を育てたいのか、塾の理念が明確か。
• サポート体制: 保護者との連携や、学習習慣を支える仕組みが整っているか。
• 実績と信頼性: 長年の指導実績があり、多くの家庭から信頼されているか。

おすすめ中学受験塾一覧

塾名	価格（月額目安）	公式サイト
SAPIX小学部	小1: 22,000円	公式サイトで見る
早稲田アカデミー	17,000円	公式サイトで見る
日能研	11,440円〜	公式サイトで見る
四谷大塚	15,400円	公式サイトで見る
個別教室のトライ	要問い合わせ	公式サイトで見る
りんご塾	22,000円	公式サイトで見る
TOMAS	要問い合わせ	公式サイトで見る

SAPIX小学部

難関中学受験で圧倒的な実績を誇る進学塾です。対話式の少人数授業と復習中心の学習サイクルで、子どもの「考える力」と「記述力」を徹底的に鍛え上げます。低学年から思考力を養う独自のカリキュラムが特徴です。

項目	内容
価格（月額目安）	小1: 22,000円, 小2: 23,100円
公式サイト	公式サイトで見る
指導形態	少人数制 集団指導
コース例	低学年コース (1〜3年生)
教室エリア	首都圏、関西圏
学習スタイル	復習中心主義、対話式授業

早稲田アカデミー

「本気でやる子を育てる」を理念に掲げ、熱気あふれる授業で生徒の競争心と自主性を引き出す大手進学塾。低学年向け「スーパーキッズコース」では、学ぶことの面白さを伝え、将来の難関校合格への礎を築きます。

項目	内容
価格（月額目安）	スーパーキッズコース: 17,000円
公式サイト	公式サイトで見る
指導形態	集団指導
コース例	スーパーキッズコース (小1〜小3)
教室エリア	首都圏中心
学習スタイル	予習シリーズを使用、競争心を重視

日能研

「未来への学び」をコンセプトに、子ども自身の興味や発見を大切にする大手塾。長年の実績と膨大なデータに基づき、無理なく段階的に学力を伸ばすカリキュ-ラムが強み。通いやすさとバランスの良さで多くの家庭から支持されています。

項目	内容
価格（月額目安）	11,440円〜 (コースによる)
公式サイト	公式サイトで見る
指導形態	集団指導
コース例	本科教室 (小1〜)
教室エリア	全国
学習スタイル	段階的なカリキュラム、学ぶ楽しさを重視

四谷大塚

中学受験のバイブルと名高い「予習シリーズ」を開発した老舗塾。予習→授業→復習（テスト）の学習サイクルを確立し、自ら学ぶ力を育みます。低学年向け「リトルスクール」と豊富なITコンテンツで、確かな基礎学力を養成します。

項目	内容
価格（月額目安）	リトルスクール: 15,400円
公式サイト	公式サイトで見る
指導形態	集団指導
コース例	リトルスクール (小1〜小3)
教室エリア	首都圏中心
学習スタイル	予習主義、「予習シリーズ」活用

個別教室のトライ

全国No.1の家庭教師実績を持つトライが運営する完全マンツーマンの個別指導塾。

一人ひとりの性格や学力に合わせて作成されるオーダーメイドのカリキュラムで、苦手分野の克服から難関校対策まで幅広く対応します。

項目	内容
価格（月額目安）	オーダーメイドカリキュラムのため要問い合わせ
公式サイト	公式サイトで見る
指導形態	完全1対1 個別指導
コース例	中学受験対策コース
教室エリア	全国
学習スタイル	オーダーメイドカリキュラム

りんご塾

算数検定や算数オリンピックに照準を合わせた算数特化型の専門塾。

「算数が大好き」という気持ちを大切にしながら、パズルやゲーム感覚で思考力を鍛え、将来の中学受験で武器になる高度な算数力を育みます。

項目	内容
価格（月額目安）	22,000円 (週1回)
公式サイト	公式サイトで見る
指導形態	少人数制 集団指導
コース例	算数オリンピックキッズBEEコース
教室エリア	全国各地
学習スタイル	算数特化、思考力養成

TOMAS

一人ひとりの生徒のためだけに作られた個室で、質の高い1対1の個別指導を行う進学塾。

講師は板書をしながら授業を行い、緊張感のある環境で学力を引き上げます。集団塾の補習から最難関校受験まで、個々の目標達成にコミットします。

項目	内容
価格（月額目安）	オーダーメイドカリキュラムのため要問い合わせ
公式サイト	公式サイトで見る
指導形態	完全1対1 個室個別指導
コース例	中学受験対策コース
教室エリア	首都圏
学習スタイル	発問・解説中心の授業

小学生の塾にまつわる疑問を解消！保護者のためのQ&A

塾選びを進める中で、さまざまな疑問や不安が出てくることでしょう。最後に、保護者の方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

塾にかかる費用は月々どれくらいが目安ですか

低学年の場合、集団塾の月謝は週1回の通塾で15,000円～25,000円程度が一般的です。ただし、これ以外に入塾金（2〜3万円程度）、教材費、テスト代、季節講習費などが別途必要となります。個別指導塾は、指導形式や回数によって大きく変動しますが、一般的に集団塾より高額になる傾向があります。正確な総額は、必ず各塾に直接問い合わせて確認しましょう。

共働き家庭でも塾のサポートは可能でしょうか

はい、可能です。多くの共働き家庭が工夫しながらお子さんの通塾をサポートしています。塾によってはオンライン授業に対応していたり、駅までの送迎サービスを実施しているところもあります。また、宿題の管理については、連絡帳や面談などで塾と密に連携を取り、家庭での学習計画を一緒に立ててもらうと良いでしょう。無理なく続けられるサポート体制を塾と一緒に作っていくことが重要です。

途中で塾が合わないと感じた場合の対処法はありますか

まずは、お子さんがなぜ「合わない」と感じているのか、その理由をじっくり聞いてあげることが第一です。その上で、塾の担当講師や教室長に相談しましょう。クラスの変更や学習内容の調整で解決できる場合もあります。

それでも改善が見られない場合は、転塾も選択肢の一つです。低学年のうちはまだ時間的な余裕があります。お子さんがストレスなく学習できる環境を見つけることを最優先に考え、焦らずに別の塾を検討しましょう。

子どもの学ぶ意欲を伸ばすために親ができる関わり方のヒント

ここまで、低学年の塾選びについて様々な角度から解説してきました。多くの選択肢があり、迷われることも多いかと思いますが、最も大切なのは「誰のための受験か」という視点です。塾選びは、あくまで子どもの可能性を広げるための一つの手段にすぎません。

結果よりも学ぶ楽しさを実感させることが成功への近道

低学年の時期に最も育むべきは、点数や偏差値といった目に見える結果ではありません。

「知らなかったことを知るのは面白い」「難しい問題が解けると嬉しい」と感じる心です。その知的好奇心こそが、高学年になったときに困難な課題を乗り越えるための原動力となります。

親が結果に一喜一憂せず、子どもが学ぶプロセスそのものを認め、励ましてあげることが、子どもの学習意欲を育む上で何よりも重要です。

まずは気になる塾の資料請求や体験授業から始めよう

情報収集だけでは、本当にお子さんに合う塾は見つかりません。

この記事を参考にいくつかの塾に候補を絞ったら、ぜひ親子で一緒に体験授業に参加してみてください。実際の授業の雰囲気や講師の人柄に触れることで、きっと新たな発見があるはずです。

お子さんが「この塾なら通ってみたい！」と心から思える場所を見つけることが、長く続く中学受験の道のりを楽しく、そして有意義なものにするための成功の鍵です。

お子さんにぴったりの塾を見つける旅は、情報収集から始まります。

まずは気になる塾の資料をまとめて取り寄せ、親子で一緒に体験授業に参加することから、後悔のない一歩を踏み出しましょう。

参考・脚注

• (※注1) 文部科学省,「令和3年度子供の学習費調査の結果について」, 2022年12月21日
• (参考) 塾選,「【2025年最新】小１と小２におすすめの塾17選！」